このPCは液晶の解像度がWUXGA、つまり1920×1200です。一般的なノートPCはXGA(1024×768)またはWXGA(1280×800)が多く、高解像度なPCはあまり普及していないというのが現状です。
ここでは、高解像度のメリット、使いやすさについて記述します。
1. インチと解像度
まず液晶画面の広さを表す解像度という言葉について説明します。
インチ
液晶のスペックとしては、「インチ」がよく知られています。これは「液晶画面全体の大きさ」を表します。具体的には「液晶画面の対角線の長さ」を「インチ」の単位で計測した値となります。テレビでも同じなのですが、何故か「センチメートル」ではなくて「インチ」で表すようになっています。「1インチ = 約2.5センチメートル」なので、2.5倍すれば直感的に把握できると思います。
解像度
これに対して解像度とは、「液晶画面に表示できる画素数」を表します。「画素」とは、画面を構成する最小単位の「点」のことです。液晶画面は、この「画素」が縦横に大量に隙間無く並べられて構成されています。そして、ひとつひとつの画素が様々な色で光ることで画面が作られています。
←「(液晶の拡大図)」を拡大した図
斜めの線も曲線も、この画素を最小単位として並べて表現されるので、ギザギザに見えたりするわけです。そして解像度は、例えば「1024×768」などと表示されますが、これは、画面の横方向に1024個の画素、縦方向に768個の画素が並んでいることを表します(この解像度はXGAと呼ばれています)。
この数字が大きいほど高解像度ということになり、たくさんの画素が表示できることになります。参考までに、同じインチで解像度が違う場合がありますが、高解像度の場合、同じ広さにより多くの画素を詰め込むことになりますので、ひとつひとつの画素が小さくなります。そして、同じ画素数で表現される文字も小さくなります。
2. WXGAとWUXGAの比較
最近のノートPCでよくあるWXGA(1280×800)と、市販のノートPCで最も広いWUXGA(1920×1200)で実際にどの程度の違いがあるか比較してみます。
重ねてみると、広さの違いがよくわかります。
面積で比較すると2倍近くの差がありますが、これはそのままデスクトップの広さの違いに繋がり、それだけたくさんのウィンドウを一度に広げて見ることができるということです。
次の画面は、実際にWindowsの画面で比較したものです。全体はWindows VistaのWUXGAで、左上の赤枠で囲ったXGAは、Vista上のVMwareで起動したXGAサイズのWindows98SEです(VMwareではWXGAの表示ができなかったたため、XGAで比較しています)。サンプルとして両方でIEを起動して、同じページを表示しています。
XGAでは、ほぼ画面全体を占有してしまって、しかも縦方向も一度に表示できる文字の量が少ないですが、WUXGAでは、画面右半分だけで表示ができて、縦方向もたくさんの情報を一度に見ることができます。このウィンドウを見ながら、左のスペースで文書作成などの作業ができるわけです。
広さのメリット
例えば、IEで調べ物をしつつWordやExcelで文書の作成する場合も、それぞれのウィンドウを全て並べておくことができます。
Excelだけを最大化すれば、広大なセルを一度に見渡して作業ができます。
文字が見やすくなるメリット
高解像度の場合、相対的に文字が小さくなります。そんなに広くなくてもよいので見やすくしたい、という場合は、それぞれのアプリで拡大表示すればよいのです。これは、Excel2007で表示を150%にしたときの表示例です(Excelで文章を書くのは良くないですが、これはあくまで表示例ですので許してください)。
この場合、ひとつの文字を構成する画素数が増えますので、その分なめらかな目に優しい表示になります。
本などの印刷物に比べて、疲れやすいと言われるPCの画面ですが、その一因は文字がなめらかでないことにあるのではと思います。高解像度化が進めばこのあたりの問題も解消されていくのではないかと思います。
3. 高解像度のススメ
最近のノートPCはWXGAが多いのでXGAより少しはマシですが、横に200画素ほど広いだけです。WSXGA+やWUXGAに比べると、かなり狭いことになります。PCのスペックは年々向上し、最近ではCPUやメモリ、HDDについては必要十分な性能になっていて、より高性能といっても体感できないことが多いです。しかし高解像度の場合、はっきりと体感が得られるメリットがあり、それが毎日の作業全てに効いてきます。PCを買い換える際は、解像度に着目してみてください。値段は少し高くなりますが、毎日、何年も使えば、その差額以上のメリットが得られると思います。
参考: ノートPCの解像度
参考までに、一般的に販売されているノートPCの解像度を表にしておきます。最近ではワイド液晶ばかりでしょうが、ワイドならWXGAやWXGA+ではなくWSXGA+以上をお勧めします。
4:3はこんなところです(4:3と限定してしまうと、5:4であるSXGAが含まれなくなってしまいますので、「非ワイド液晶」との表記がいいでしょうか)。
そのSXGAはそれなりに広くて重宝してましたが、今となっては結構狭く感じます。
◆2009年7月3日追記
この表ではSXGA+の解像度を「1440×1050」としてしまっていますが、コメント欄でご指摘いただいている通り、正しくは「1400×1050」です。
コメント
コメント一覧 (5件)
SXGAは4:3じゃないですよ。
ご指摘ありがとうございます。
確かに、SXGAは5:4ですね。
とすると、どう表記すればいいか迷いましたが、ワイドの液晶も、16:9, 16:10などいろいろありますので、これに倣って、追記してみました。
あとSXGA+は1400×1050です。
ご指摘の通り、表のSXGA+は間違っていますね。
おそらく、WXGA+の1440×900の印象が強くて、勘違いしてしまったのだと思います。
本文に訂正の追記をしておきました。
私のUXGAが持っていますがm高解像度にしたら、それだけモニターも大きくしなければ文字や画像が小さくなりすぎて使い物にならないですね。
15型以下の小さいモニターにはXGAかWXGAがちょうどいいと思いますよ。