このブログは、旧NHK党の公約である「NHK受信料を支払わないための仕組み」が、政党交付金で運営されていることを直接表すようなタイトルとしていました。しかし、2023年5月現在、この仕組み運営には政党交付金は使われなくなったようです(やむを得ずブログタイトルも過去形に変更しました)。私が旧NHK党を応援していたのは、この「政党交付金を直接国民に還元するシステム」が非常に優秀で、これに大きな価値を感じていたからでした。この仕組みが無くなったのは残念ですが、何がどう変わったのか、まとめます。
政党交付金を国民に直接還元するシステムとは
旧NHK党は、2023年4月頃までは、「公約の実現は政党交付金で運営する」という主張でした。概要はこんな感じだったと思います。
- NHK党の公約は、「NHK受信料を支払わなくてよくする」ことである。この仕組みは、無料で提供するため、税金で運営したい。
- 政党交付金を受け取ることができれば、無料で運営することが可能である。そのためには、国政政党の要件を満たす必要がある。
- 国政政党の要件は複数あるが、その中で最も可能性が高いのが「参議院議員選挙で2%以上の得票率を得ること」である。NHK党は、参議院議員選挙に全力を注ぐ。
- 2019年は全国の選挙区で3.02%、2022年は全国の選挙区で2.08%、全国比例で2.36%の得票率を得たため、国政政党を維持している。
これにより、2023年度は3億円以上の政党交付金を受け取ることができており、これを原資に、「NHK受信料を支払わなくてよい仕組み」を運営しているということでした。
政党交付金は、昔、企業や団体からの政治献金のみで政党が運営されていた頃、政治献金をする企業や団体のみが得をする政治(忖度政治)となってしまっていたことから、献金に頼らない政党運営を目的として導入された記憶があります。政党交付金は国政政党の要件を満たした政党に、得票数や議員数に応じて交付されているため、有権者の投票に比例して国政政党が資金を得られるという、民主主義としてはある意味妥当な制度のようです。ですから、旧NHK党への批判としてよくある「旧NHK党に税金が政党交付金として助成されているのはけしからん。我々の税金は旧NHK党には交付しないでほしい」という指摘は的外れです。旧NHK党に投票していない人の1票約250円は、旧NHK党には交付されていません。あなたが投票した1票による約250円は、あなたが投票した政党に交付されています。安心してください。
政党交付金は、どの国政政党であってもその政党のために使われているわけですし、支持している政党の公約実現に役に立っていると考えていいものだとは思います。ですが、NHK党はさらに、「政党交付金を直接国民に渡す」かのようなシステムを作りました。具体的には以下のサービス提供です。
- NHK受信料を支払わなくてすむ状態をサポートするコールセンター
- NHK受信料の請求書を受け取らなくて済むよう、司法書士事務所が代理で受け取るサービス
- NHK受信料不払いで裁判された場合に、裁判費用、NHK受信料を支払うサービス
これら、本来は費用が必要なサービスを無料で運営していたわけで、実質的に政党交付金が直接国民のために使われていたということです。さらに他の国政政党は、寄付や献金を受け付けているところ、NHK党は国民や企業からのお金を一切受け取らないというポリシーでした(忖度政治となってしまうから)。ですから、政党交付金だけで運営されていたサービスでした。
この意味で、この仕組みは画期的だと感じていましたし、NHK受信料関連以外でも政党交付金で国民が様々なサービスを享受できる可能性を秘めていると思っていました。そのためには何よりも、NHK党が国政政党であり続ける必要があるわけです。投票した1票が直接政党交付金の原資となるということで、このシステムを知ってからはNHK党に投票してきました。
政党交付金が使われなくなり、何がどう変わったのか
2023年5月現在、政党交付金はこれらの運営に使われなくなっているようです。これは、立花氏のYouTubeで発表されました。
コールセンターの運営に必要な金額は不明ですが、司法書士事務所への報酬は毎月220万円、NHKから裁判された場合に支払う受信料と裁判費用は、毎月100万円程度のようです。これらについて、党から支出することが難しくなってきたため、寄付を募りたいという主旨でした。ただしこの寄付は完全に任意であり、寄付しなくても、これまで通りコールセンター運営、請求書の代理受け取り、裁判された場合の支払いは実施するという説明でした。
党から支出できなくなった原因は明確に話されていないのですが、4月から代表権を大津氏と争っていることにより、政党交付金が使えなくなっているためなのでしょうか。あるいは、党が借りている10億円程度の借金の一部を返してほしいと言われている状況もあり、政党交付金が使えたとしても借金の返済をする必要があって、司法書士事務所への報酬等には支出できないということなのかもしれません。
請求書受け取り代行サービスを申し込んだ人には寄付のお願いの文書が送られるようですが、そうでない人も、YouTube視聴料を支払ってくれる人は、この動画の概要欄に記載の「立花孝志ひとり放送局株式会社」の口座に振り込んで欲しいという依頼でした。いずれも強制ではないと強調されていました。
旧NHK党が寄付を募ることについて
これにはかなり驚きました。旧NHK党の頃から、国民や企業からは一切お金を受け取らないということを特徴として主張されていたからです。献金や寄付を受け取ると、その企業や人の言うことを優先して政策に反映しないといけない、つまり「忖度政治」となってしまうため、一切受け取らないという主張でした。
他の国政政党や国政政党ではない政治団体等も、その多くは献金や寄付を受け付けています。政党の運営には相当の資金が必要で、それを賄うためです。では、旧NHK党は献金や寄付無しでどうやって運営しているのか、国政政党の要件を満たしたのか。間違っているところもあるかもしれませんが、私の理解は、以下の通りです。
- 従来の政党運営で大金が必要だった活動の一つは選挙運動であるが、旧NHK党はインターネットを利用した選挙運動をメインとすることで、費用を極限まで減らしている。無駄な選挙カーの使い方や、多くの運動員(=人件費)が必要な、いわゆるどぶ板選挙は行わない。
- 選挙運動の費用を極限まで減らすとしても供託金は必要であり、衆議院議員選挙、参議院議員選挙で全国の選挙区に数十人と比例区に立候補者を出すには、1~2億円が必要である。これについては、立花氏のYouTuberとしての影響力(登録者数56万人)と、選挙、政治に関する発信によって、寄付ではなく借金を募る。
- 政見放送について選挙区での立候補の場合は、NHKのスタジオで収録するのではなく候補者が業者に委託して作成した動画を提出することが可能。この場合、1人につき最大約280万円が動画制作費として業者に支払われる。旧NHK党では、党の関係会社と思われる「ネット選挙株式会社」で政権放送の動画を作成しており、例えば50人立候補すれば1.4億円がネット選挙株式会社に支払われる。ネット選挙株式会社は選挙運動のサポートを事業としており、政見放送動画作成によって得られた利益を使うことができる。
- 国政政党の要件を満たして以降は、毎年2~3億円の政党交付金を受け取れている。
3.の政見放送の動画を業者に委託可能なのは、国政政党に限られているかもしれませんが、現状では旧NHK党は可能です。これらの工夫により献金や寄付無しで政党要件を満たし、政党交付金によって党の運営だけでなく、NHK受信料を支払わないための各種サービスを運営していたのだと思います。
今回、寄付を募るようになったのは、少しマイナスイメージであると感じています。他の党も献金や寄付を受けているため、問題があるわけではないですが、これまで「忖度政治はしない」と主張していたのを取り下げる側面があります。一応、請求書受け取り代行サービスの利用料なので、寄付によって忖度することはないということかもしれませんが、イメージはよくないです。もう一つ大きな課題は、寄付だけで賄えるのかという点です。この活動の助けとなるよう寄付する方が一定数存在するとは思いますが、大抵、1回の寄付で終わるのではないでしょうか。毎月や毎年、コンスタントに寄付される方がそんなに多いとは思えません。一方でサービスの提供には毎月数百万円かかるようですので、寄付だけでずっと維持できるのかというと、疑問があります。そうなると、サービスの存続にも関わってくる課題だと思います。
やはり従前の通り、政党交付金で安定したサービスを提供していただきたいところです。旧NHK党に投票した方は、1票約250円となる政党交付金を党に受け取ってほしいという主旨の方も多いと思います。結果として毎年2~3億の政党交付金が受け取れる状況ですので、是非とも、政党交付金を国民に直接還元するサービスを維持していただきたい。実は、私個人的には、朝ドラや大河ドラマ、NHKスペシャルや、その他、時代の出来事を保存するような番組を視聴しているため、NHK受信料は支払っています。つまり、旧NHK党の、受信料を支払わなくてよいサービスは利用していません。それでも、政党交付金を直接国民に還元するというのは前代未聞で画期的であり、将来性も含めて、国政政党を維持してもらうことと、党が受け取る政党交付金の一助(250円)となるよう旧NHK党に投票しています。
投票した125万人の民意に反して党の運営を停滞させる権利はあるのか
政党交付金が、旧NHK党のサービス維持に使えない原因が、大津氏との代表権争いにあるのであれば、早く代表権と政党交付金を取り戻して、国政選挙で投票した有権者の負託に応えてほしいと思います。それを妨げているのが大津氏なのであれば、大津氏には、旧NHK党に投票した有権者の思いを踏みにじっていることを自覚してほしいです。旧NHK党に投票するのは投票した有権者の約2%であり、98%は大津氏の主張の通り旧NHK党のお金の使い方を明らかにしてほしいと思っているのかもしれません。それでも、旧NHK党のこれまでの政党交付金の使い方は、総務省で公開されています。公開された使途を前提に、国政政党の要件を満たすだけの得票を得ているわけです。この125万人以上の有権者の民意に反して党の運営を停滞させる権利が大津氏にあるとは思えません。党所属の国会議員も、党の職員も、1000人以上の党員も、誰も大津氏を認めておらず、総会でも否定されている。この状況で、代表者として登記されていることだけを頼りに125万人以上が投票した結果である政党交付金を止めているのは、民主主義の根幹を揺るがしているとは思えないのでしょうか。自称党首として、125万人の思いをどのように認識しているのか、考えを聞かせていただきたいところです。
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